Interview04/ 染織家 長井美和さん 後編



【長井美和さんプロフィール】

 

2006年、織り教室で手織りに出会う。

織工房Mai  (https://www.facebook.com/orikouboumai)

のアシスタント、ユザワヤ吉祥寺店の手織りコースの講師を勤める。

不定期で自宅で手織り教室を開催している。

クラフト市への出店や、定期的にグループ展を行う。

現在はオーダー品の制作を中心に制作しており、

つばめ工房 (http://tsubamekobo.com)の織り手としても活躍中。

 

【Instagram】

Instagram  @imiwadandelion




現在はどのような制作活動をされているのかお話しいただけますか。

―長井さん

以前は手作り市やクラフトフェアにも出店していましたが、現在はコロナの影響で開催ペースが落ちているので自主企画の展示販売会を年に1〜2回開催することを目標に制作しています。

今は週に3日〜4日、公共施設にも勤務しているので2人の子供を育てながらの制作は、思う通りに時間が取れない時も多く、展示の前はいつもバタバタしています。

 

私はWeb上で販売していません。

展示販売会は、直接作った作品を見てもらったり、お客様とお話ししたりできる貴重な機会です。

その際に個別にご注文頂くことがあるので、終了後も引き続きコツコツ制作しています。


長井さんの展示会に足を運ぶと、来場者もオーダーされる方も多くとても人気ですね。

―長井さん

幸いにもオーダーを頂くのですが、それはおそらく会場が魅力的でその場所にお客様が付いているからだと思います。定期的に開催することで「また来たよ」と言ってくださる方も多いので、続けることが大切かなと思います。

 

クラフトフェアや手作り市も自分の作風に合わないところでは、ほとんど売れないということもあります。

購入される方は作品との出会いで購入されると思うので、自分の作品と相性が良いところに参加することは常に心がけています。

 

その他、つばめ工房さんで織り手としてもご活躍されているお話も伺えますか。

◉つばめ工房 http://tsubamekobo.com/

 

―長井さん

つばめ工房のオーナー高橋さんとは国立の織り教室で出逢いました。

つばめ工房さんのための制作は、指定の糸で指定のサイズで織り図どおりに織り上げます。

オーダーされたことに答えるという技術と特性が必要なので、向き不向きはあると思いますが私には向いていると思います。


今後は暮らしの中でどのように制作し、

活動していかれるのか教えてください。

―長井さん

織りを仕事として一本でやっていくのは並大抵のことではないな、と約18年関わって実感しています。

子供もまだ小さいので、しばらくは子育てや家庭も大切にしないといけない時期だと思っています。

 

私は「織ること」が好きなので、作家ではないのだと思います。

「織る」という作業に関わっていられたらとても幸せ、でも制作には時間とお金がかかりますよね。

特に「時間」はとても貴重です。

 

今まで織りを続けることは苦労や努力を感じずに自然に生活の中に入ってきた感覚です。

織りは自分に向いているのだなと思います。

 

今後も、定期的に展示販売会を開催したり、織り手として活動したりしながらゆるゆると長く織りと付き合っていきたいと思っています。




[取材・撮影]: 遠藤ちえ / 遠藤写真事務所 @chie3endo

[撮影会場]STUDIO OLIYA